兵勢篇のその三は、
「寄正の変は、勝(あ)げて窮(きわ)むべからず」 音階の基本は、宮(きゅう)商(しょう)角(かく)徴(ち)羽(う)の五つにすぎないが、その組み合わせの変化は無限である。
色彩の基本は、青、赤、黄、白、黒の五つにすぎないが、組み合わせの変化は無限である。
味の基本は、辛(しん)酸(さん)鹹(かん)甘(かん)苦(く)の五つにすぎないが組み合わせの変化は無限である。
それと同じように戦争の形態も「奇」と「正」のふたつから成り立っているが、その変化は無限である。「正」は「奇」を生じ「奇」はまた「正」に転じ、円環さながらに連なってつきない。
したがって、誰もそれをしりつくすことができないのである。
声ハ五ニ過ギザルモ、五声ノ変ハ勝(ア)ゲテ聴クベカラズ。
色ハ五ニ過ギザルモ、五色ノ変ハ勝ゲテ観(ミ)ルベカラズ。
味ハ五ニ過ギザルモ、五味ノ変ハ勝ゲテ嘗(ナ)ムベカラズ。
戦勢ハ奇正ニ過ギザルモ、奇正ノ変ハ、勝ゲテ窮(キワ)ムベカラズ。奇正ノ相生ズルコト、循環ノ端(ハシ)ナキガゴトシ。孰(タレ)カヨクコレヲ窮(キワ)メンヤ。
人は一つを知ると十を理解できたと誤解しがちなものである。
基本を学び理解することは容易であるが、現実にはお決まりのパターンが繰り返すことはありえない。
奢ることなく学ぶ姿勢と基本から推測できるパターンを推測し的確な決断を下すことが勝利に結びつくものなのだろう。
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