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戦略研究題七章その二 - 煩悩戦略研究所

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戦略研究題七章その二

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2.百里にして利を争えば・・・・

 故ニ軍争ハ利タリ、軍争ハ危(キ)タリ。軍ヲ挙(ア)ゲテ利ヲ争エバスナワチ及バズ、
軍ヲ委(ス)テテ利ヲ争エバス則チ輜重(シチョウ)捐(ス)テラル。
コノ故ニ甲(コウ)ヲ巻(マ)キテ趨(ハシ)リ、曰夜処(オ)ラズ、道ヲ倍(バイ)シテ兼行(ケンコウ)シ、
百里ニシテ利ヲ争エバ、則チ三将軍ヲ擒(トリコ)ニセラル。
勁(ツヨ)キ者ハ先(サキ)ダチ、疲(ツカ)ルル者ハ後(オク)レ、ソノ法、十ニシテ一至(イタ)ル。
五十里ニシテ利ヲ争エバ、則チ上将軍(ジョウショウグン)ヲ蹶(タオ)ス。
ソノ法、半(ナカ)バ至ル。三十里ニシテ利ヲ争エバ、則チ三分ノ二至(イタ)ル。
コノ故ニ、軍、輜重(シチョウ)ナケレバ則チ亡(ホロ)ビ、糧食(リョウショク)ナケレバ則チ亡ビ、
委積(イシ)ナケレバ則チ亡(ホロ)ブ。

 勝利の条件をつくり出すことができれば、戦局の転回に有利になるが、しかし、それには危険も含まれている。たとえば、重装備のまま全軍をあげて戦場に投入しようとすれば、敵の動きに遅れをとるし、逆に、軽装備で急行しようとすれば、輜重(しちょう・輸送)部隊が後方に取り残されてしまう。
 したがって、昼夜兼行の急行軍で戦場におもむけば、その損害たるや甚大である。すなわち百里の遠征であれば、上軍、中軍、下軍の三将軍がすべて捕虜にされてしまう。なぜなら強い兵士だけが先になり、弱い兵士はとりのこされて、十分の一の兵力がやっと戦場に到着して戦うことになるからである。また、五十里の遠征であれば、兵力の半分しか戦場に到着しないから、上軍(先鋒部隊)の将軍が討ちとられてしまう。同じく三十里の遠征であれば、三分の二の兵力で戦う羽目になる。
 これで明らかなように、輜重(装備)、糧抹、その他の戦力物資を欠けば、軍の作戦行動は失敗におわるのである。

 戦いの駆け引きは紙一重であり、効果も大きいがひとつ誤ればリスクも大きい。
戦いが始まってから起こる矛盾を解決することが将のすべきことなのであろう。





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